2014年4月に死去。海外ではKatz（カツ）の愛称で親しまれた、日本を代表するプレイヤー。筆者の恩師でもある。

日本国内のコンテストはもとより、'92年、'96年にはアメリカ・カンザス州「ウィンフィールド・ナショナルチャンピオンシップ」のマンドリン部門で3位入賞するなどの実績を持つ。ナッシュビルでレコーディングされたソロ・アルバム2枚は圧巻で、どちらも本場アメリカでも高い評価を得ている。「ジャパニーズ・ブルーグラス・バンド」の定期渡米、アルバム製作なども行い、坂庭省悟氏との「バトル」シリーズなども好評を博した。（各アルバムについてはページ下部参照）

宮崎勝之が主宰する音楽教室には、多くの若いミュージシャン、学生たちが学び、そこから巣立っていった。自身の創作活動のほかに、日米のブルーグラス交流、若手の育成などにも力を入れたことなどから、国内のブルーグラス・シーンに与えた影響は測り知れない。

●プレイ・スタイル
メジャー・スケールの流れるようなメロディ・ライン（Lick 1）、ダブル・ストップを活用したクロスピッキング（Lick 2）は曲にポップ感や明るさを与えた。また、随所にプリング、ハンマリングを使ったテクニック（Lick 3, 4）を取り入れたり、3連符を使った奏法（Lick 5）でオーディエンスを魅了してきた。

また、下記の楽譜には書いていないが、2ndアルバム『Mandoscape』では、マイナー・ペンタトニックやブルー・ノートを使ったフレーズも随所で聞け、彼のアイデンティティを感じることができる作品。

また高田渡氏、中川イサト氏、小室等氏など、フォーク界でも多くのサポートをしたことでも知られる。ブルーグラスとは違う世界でのアルバム参加作品も多く、そのマンドリン・プレイを多岐にわたって聞くことができる。

ステージの上でも下でも、気さくで飾らないキャラクターが多くのファンに親しまれた。

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